お彼岸

日本では春と秋にお彼岸があります。春のお彼岸は春分の日を挟んだ前後3日、秋のお彼岸は秋分の日を挟んだ前後3日となります。そして春分の日、秋分の日をお彼岸の中日と呼んでいます。

彼岸とは亡くなったあとの世界、仏様の住む世界と言われています。反対に今私たちのいる世界、生きている世界は「此岸(しがん)」と呼ばれます。

彼岸の世界は西方にあると考えられており、太陽が真西に沈み昼夜の長さが同じこの日は彼岸と此岸が最も近づく日とされています。私たちの気持ちが最もご先祖さまに届きやすくなる日にお墓参りをして感謝の気持ちを伝えましょうという教えが日本では広がりました。

お彼岸には、おはぎやぼたもちをお供えします。由来の1つとして「もち米」と「あんこ」2つの物を「合わせる」ということから、ご先祖様の心と自分たちの心を「合わせる」という意味もあります。

「ぼたもち」は春に咲く牡丹(ぼたん)の花にちなんで小豆の粒を牡丹の花びらに見立てて作られた「牡丹餅(ぼたんもち)」が、やがて「ぼたもち」と呼ばれるようになりました。

一方、秋の「おはぎ」は「萩(はぎ)」から。秋の七草にも数えられる萩の花が、小豆の粒と形が似ているということから、「お萩餅」と呼ばれるようになり、やがて「おはぎ」として定着しました。

ご先祖様に感謝の思いを馳せながら春彼岸には「ぼたもち」を秋彼岸には「おはぎ」をお供えしてください。

亡くなって離れ離れになってしまっても一度結んだご縁が消えることはありません。ご先祖さまの教えは私たちの中に残ります。教えはぬくもりとなって私たちを支えてくれます。お彼岸の時期にはお墓参りに行って手を合わせる時、合わせた手の中にそのぬくもりを感じ取っていただきたいと思います。